実はあたくし、生まれてこの方ゲレンデというものに行ったことがない。
福島生まれといっても、あたくしのイナカであるところの浜通りというところは雪なんか降ったら休校になってしまうぐらい雪とは縁がないのだ。
「でもスキーって流行ったじゃん?あのころ行かなかったの?」
そう、バブル全盛期に女子大生をやっていた我々にとって、夏はテニス・冬はスキーというのは定番であった。しかしあのころスキー場に行くというと、なぜかボディコンのワンピースやハイヒールは必需品。若者の目的は滑るよりなんといっても夜のアクティビティに集中されたのだ。
フレッドペリーのポロシャツの襟を立て、手にはルイヴィトンのセカンドバック・・・当時は「コカコーラのCMに出てきそうなタイプ」と形容されたが、そんな男の子たちから声がかかるのを、ワンレンの髪をかきあげ、プワゾンの香りをぷんぷんさせながら待つギャルたち・・・。おまへらスキー場に何しにきてんだよっ!という状態だった
・・・らしいな・・・
あたくしは、休みになるとさっさと海外逃亡していたので、実はその華やかなる苗場プリンスの夜などは、浜通りの雪とおなじぐらい縁がない。
つことで、とにかく、あたくしはスキー場というところに行ったこともなければ、数メートルもつもった雪もみたこともなく、そのまま生まれて25年がすぎてしまったのだ。この年になってまた新たなる経験ができるのはすばらしいことだな。よし!おまえら!あたくしをゲレンデなるところにつれていけぃ!
という事と次第により、7人ばかりで群馬は川場なるスキー場に行って参った
関東各地から集まった輩は、最後に前橋在住のdb氏を拾い、いざ川場。しかしまもなく高速に乗りかかろうとするところでdb氏
「あ・・・ウエア忘れた・・・」
・・・(--;
いきなりUターンを余技なくされ、なんとなく今日のゲレンデツアーの前途を予言するような不吉な事態。
そう・・・落とし穴はそこにもここにも周到に用意されていたのであった・・・
(つづく)
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